2009年9月14日月曜日

090905-08Gesashi-2

泥とカニと滴る汗と-part2-

初日の最初に調査した地点は、
なかなかに泥の深い場所でした
しかも林縁にあるため太陽光が降り注ぎ、暑いったらない。
調査はまず方形枠(塩ビ管で作った50cm×50cmの枠)を
地点内にランダムに置き、その枠内の地上、地中にいる
甲殻類と貝類をすべて捕獲する、という方法で進められます。


書くとカンタンなようですが、
枠が置かれた場所が石だらけ、木の根だらけだったりすると
掘るのに一苦労です。

また小さなカニなどを逃さないよう、
掘った土はザルで掬って洗い徹底的に探します。


開高健のエッセイ「オーパ!」にでてくる
南米のダイヤモンドの露天掘りを思い出し、
労働歌でも唄いたくなってきます。
“ガリンペイロ”だっけ…?

この定量調査がひとしきり終わると、
あとは定量調査で採れていない種類を片っ端から捕まえます。

最初の地点の定量調査中、
いきなりエビのようなサソリのような生き物が
足下からもぞもぞと這い出てきました。
オキナワアナジャコです


オキナワアナジャコ

前回大浦の調査では、みんなで掘りまくって
やっと2個体見つかっただけだったので、
いきなりテンションが上がります。


写真が分かりにくいですが、眼はかなり退化し、
ハサミも土を掘りやすいように変化して物を挟むことができません。


さらに穴の中で方向転換できるように尻尾の部分は細長い…
というとても奇妙な形をしています。

じつは今回の調査では、通常なかなか出会えないはずの
このアナジャコがやたらと大漁で、
後半になるとアナジャコが出てきても
誰も騒がなくなってしまいました。
人間、日頃から小さな幸せに甘んじている方がいいぞ
という訓でしょうか。(大げさ)


木道の手すりに置いて撮影…
初日だったので浮かれて撮りまくりました。


川の中の地点では、網を振るって川底を漁ったりもします。


魚の方は専門家がいたわけではないので、
種までは細かく特定できません。

カワアナゴ類の幼魚


カマス類の幼魚

水に浸かったヒルギの根には、
ヒルギハシリイワガニがたくさんとまっていました。

ヒルギハシリイワガニ Metopograpsus latifrons

死角になる部分に隠れようとするので、
手でこちら側に誘導して撮影

足先やハサミの紫色がなかなか美しいカニです。
常に干出した枝にとまっていて、
追っても水の中にはなかなか逃げ込もうとしません。

一日の作業が終わってへとへとになって宿泊所へと向かいます。
どんな所に泊まるのか聞かされていなかったので、
公民館の会議室あたりで雑魚寝かな…それも楽しいかも…
なんて思っていたのですが…

!?

外装を見たときは、こじんまりとして小洒落たホテルだな…
くらいに思っていましたが、部屋を覗いて絶句です。
小洒落てるなんてもんじゃありません。
高級感溢れるお部屋は全室オーシャンビュー。
後輩の子なんか、このお部屋に一人でご宿泊です。
おまけに東海岸ですから朝日の美しいこと…!
もうすっかりリゾート気分です。

あれっ、僕何しにきたんだっけ…?

続く





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