2009年9月17日木曜日

090905-08Gesashi-3

泥とカニと滴る汗と-part3-

水が引くと水たまりがあちこちのヒルギの根元にできる

足の踏み場もままならない密林

三日目は朝からエコツーから多くの方が
手伝いに駆けつけてくださり、調査は大変楽でした。
(何度も言いますが、この方々は一種のボランティアであり
かたや僕らはがっつりバイトで呼ばれているわけで、
優先的に働くべきはもちろん僕らです…すみません)

この日も相変わらずマングローブ林の中で
同じ内容の調査を続けていたので、
その模様は割愛するとして、ここらでひとつ
アナジャコという生物について解説することにしましょう。


再びご登場

三日目の調査でもアナジャコはわんさか出ました。
どうやらマングローブの泥の中に、眼には見えないけど
よほど沢山のアナジャコが棲んでいるようです。

エビに似ていますが一般的なエビとは少し離れていて、
エビ類(コエビ下目)、カニ類(短尾下目)、ヤドカリ(揖斐下目)
とならんでアナジャコ下目というグループを作っています。

(ちなみに、クルマエビは実は「仲間はずれ」で、
これら4つのグループの生き物とはまったく別のグループに入っています。)

さて、調査の模様からも分かるとおり、
アナジャコはマングローブ林の泥の中に穴を掘って暮らしています。
大型の個体になると、巣穴の周りに泥を塔のように高く積み上げます。
この塔、優に子供の背丈くらいの大きさにはなります。
人呼んで「アナジャコ塚」と呼ばれるものです。

(この文を書いている途中に、
塚の写真を一枚も撮っていないことに気づきました…)


一説によると、満潮時この塚の上に取り残された虫などを
アナジャコが捕食するんだそうです。
でも実際に地上に出してみると、
とても虫なんか捕まえられそうにないくらい動きが鈍いです。


しかし、手のひらに置くと指と指の間に潜り込もうとします。
見かけによらずかなり力強さです。
試しに土の上に置いてみると…


(手間がかかってる割に分かりづらいのは内緒です)

こんなふうに(?)はさみ足をスコップのように使って
どんどん泥を掘っていき、あっという間に泥の中に隠れます、

本来は彼らの作る塚をいくつも崩したり、
塚の根元の水たまりからアナジャコポンプでひたすら
吸い出しをまくったりしてやっと出会える生き物なんですが、
今回は続けざまに何匹も出てきたり、
あまつさえその辺を無防備に歩いていたり
とにかくアナジャコをよく見ました。
五年分くらいは見たんじゃないかな…


今回はこんな個体も見かけました。
抱卵した個体です。
産卵期が近かったのでしょうか。

ヒルギ林の根元はぬかるんでいて、
ときどき特に泥深いところに踏み込んでしまうと
泥にはまって本当に動けなくなります。

では三日目はこのへんで

面白がって誰も救助しない








0 件のコメント:

コメントを投稿