2009年9月17日木曜日

ロケットカエルアンコウ短報

知人がとても珍しい魚を撮影・採集したので
その画像をUPします。

その前に、まずカエルアンコウという魚について
簡単に解説しておきましょう。

カエルアンコウの仲間はアンコウ目に属します。
アンコウ…というと深海魚というイメージが強いですが、
カエルアンコウの仲間は浅海に多く生息しています。

基本的に泳ぎがヘタで、
海底に張り付いて餌が通るのを待っています。
頭の上にある疑似餌(エスカ)を使って
小魚をおびき寄せて捕食する種類もいます。

以前はカエルアンコウの仲間はすべて
「イザリウオ」という名前でしたが、
イザリという言葉に差別的な意味が含まれるため、
イザリウオの仲間全般が「カエルアンコウ」になりました。
(いざりという言葉は、古来刑罰などで四肢を切られた人が
這いずり回る様子=いざる から来ているそうです。)

前置きが長くなってしまいました。

ロケットカエルアンコウ Antennarius analis

カエルアンコウの仲間ですが、
日本から数記録目、沖縄で2例目という
極めつけの稀種です。


写真ではやや分かりにくいですが…
多くの魚では、鰓穴は頭部のすぐうしろに開いています。
口から入った水を鰓穴から出す事で呼吸します。
ところが、カエルアンコウの仲間はこの鰓穴が
筒状になって胸びれの下などに開いていて、
そこから水を噴出して進んだりします。

このロケットカエルアンコウは、
さらにその鰓穴が尾びれの付け根まで来ています。
おそらくそれが和名の由来なのでしょう。

今回は台風で海が荒れた後に、
水深6mほどの海底で見つかったそうです。
ヒレや口がぼろぼろですでに満身創痍…
という状態だったということです。

前回見つかった個体も、
嵐の後に浅い場所から見つかったようです。
これは推測ですが、
この魚は普段かなりの深場にひっそりと暮らしていて、
たまたま浅場まで打ち上がった個体が
稀に人間の眼にふれるのではないでしょうか?


それにしても、ロケット・カエル・アンコウって…
初めて耳にした方はずいぶんシュールな生き物を
連想されたのではないでしょうか?

1 件のコメント:

  1. Hello harborcat
    I saw you had a photo of Antennarius analis taken in Japan. I have a website about frogfishes and would be interested in adding the photo to the page about this species: www.frogfish.ch/species-arten/Antennarius-analis.html.
    Would this be o.k.? Do you have a large resolution?
    My contact: webmaster@starfish.ch
    Teresa Zubi

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